以前どこかで書いたことがあるので、もしかしたら「なんか読んだことあるなあ」なんて思う読者さんもいるかもしれません。が、しつこく、またここに書きます(苦笑)。
中学生のころ、特別作文が好きだということもなかったのですが、たまたま書いた文章が担任教師に気に入られ、
「これ、よく書けてるから、もうちょっと手直しして、作文コンクールに出してみないか」
といわれました。
それで、自分なりに「推敲」して、提出し直したのです。ところがその教師(国語教師だった)は、書き直した私の原稿をその場で読み、こう言いました。
「うん、・・・前の方がよかったな」
と苦笑いして。
前日の夜に書き直した原稿を受け取りながら、少々肩を落として職員室を退室する私。
このとき、私は多分、彼にそういう評価をされるんじゃないかと予感していたような気がします。
自分でも翌朝、前夜に書き直した原稿を読んで「どうかな…」と思い始めていたのですね。だったら、提出するなという話ですが。
私はその教師に「良く書けてる」とほめられたことで舞い上がり、より「カッコいい文章」にしたくて書き直したのです。だから、等身大の文章ではなく、気取った文章になってしまいました。
そのときの教師によるフィードバックは、中学生の私にとってはいささかショックでした。でも、今となっては、そのとき正直に感想を伝えてくれたその先生に感謝しています。
ちなみに、その先生とは、今でも日本の実家近くですれ違うと声を掛け合うことがあるくらい、お互いをよく覚えています。
「自分らしい文章を書く」というテーマは、ユニバーサルなものらしく、英文ライターさんもよくこのテーマで書いています。
今、私が「自分らしい文章を書く」ための方法として思いつくことを、3つ書いてみました。
1.褒められる文章を書こうとしないこと
カッコいい文章を書こう、読者に「すごいな」「この人文章力あるな」と思われるような文章を書こうとしないことです。
そういうプレッシャーがあるとどうしても肩に力が入ってしまうものです。だから、出来上がった文章は、まるで「虎の皮をかぶった狐」のような、頭でっかちの文章になります。
2.書いた後数日置いてから見直しすること
そうはいっても、書いているうちに自分の中の見栄が出てきてしまうこともあります。それをそのまま公開してしまうのではなく、二、三日寝かすのがおすすめです。
数日置いてから見直し、修正する習慣をつけましょう。
自分を大きく見せようとしている文章は、二日置いて読み直すと赤面させられるものです。
3.コンスタントに書き続けること
どんな形式であれ、とにかく書き続けること。これも「自分らしい文章を書く」秘訣になると思います。
自分を偽ったまま生きていくのが難しいように、等身大以上の自分を見せようとすると、書き続けているうちに苦しくなってきます。矛盾が出て来たりするため、長続きできないのです。
だから、単純に毎日書き続ける、コンスタントに書き続けることそのものが、自分らしさに近づくことになると思うのです。
書き続ける、そして自分の文章を読み直す、これを繰り返し行うことで、「自分らしい文章」が見つかることでしょう。
そしてきっと、自分を偽る必要なんて最初からなかったことに気づくはずです。